パニールとは
インドは世界屈指の酪農大国であり、乳製品の消費量も非常に多い国です。チーズも多く生産されており、インドを代表するチーズとして挙げられるのがパニールです。このパニールはインドだけでなくパキスタンやアフガニスタンなどの地域では一般的なチーズのため、インド独自のものではありません。しかし、パニールはインドでは料理に欠かせない存在であり、インド料理を形成している重要な食材です。他の国では、チーズをそのまま食べることも多いのですが、インドではチーズをそのまま食べるのではなく、何かしら手を加えるのが基本です。
西洋のものとは違う独特さ
パニールはチーズではあるものの、日本人がよく知っている西洋のチーズとは大きく異なっています。西洋のチーズは酵素を用い乳を凝固させて作るのに対して、パニールはレモン汁などに含まれている酸の力を借りて固めているのです。パニールの製法は、どちらかと言えばチーズよりも日本の豆腐と共通点が多く、見た目も豆腐とそっくりです。また、あまり発酵させていないために味は淡白であり、インドではパニールを油で揚げたものを料理に使っています。
インドカリーにはパニールが入っていることも多く、チーズカレーの形でパニールを食べるのは一般的な光景です。日本のインド料理店でもパニールを使った料理は食べられるので、食べてみるのもよいでしょう。一応、パニール以外にもインドにはチーズがあるものの、あまり一般的ではないため口にするのは難しいのが実情です。