スペインはチーズの生産が盛んな国であり、そのポテンシャルはヨーロッパの他の国と比べて引けを取りません。しかし、日本ではスペインのチーズはあまり知られておらず、その理由として挙げられるのが輸入量が少ない点です。フランスやイタリアなどはチーズの生産が盛んで、かつチーズの輸出にも力を入れているため、日本でもその名前がよく知られています。一方、スペインはチーズの生産量こそ多いものの、その多くはスペイン国内で消費されます。そのため、スペインのチーズがどのようなものなのかはあまり伝わらない状況にあるのです。
羊の生乳を使っている
ケソ・マンチェゴはスペインのチーズの中では最も知られている部類であり、日本にも輸入されています。チーズの原材料として牛乳が使われることが多いのに対して、ケソ・マンチェゴは羊の生乳を使用しているのが大きな特徴です。スペインは雨が少ない土地柄のため、多くの牧草を必要とする牛の飼育にはあまり向いていません。そのため、スペインの酪農の分野では羊や山羊が主力であり、ケソ・マンチェゴのような羊の生乳を使ったチーズが存在感を放っているのも当然の話なのです。
製造方法にもよりますが、牛乳を使ったチーズは全体的に癖が少なくマイルドな味わいに仕上がるのに対して、羊の生乳を使ったチーズは癖が強い傾向があります。ケソ・マンチェゴも一般的なチーズと比べるとやや癖があるものの、食べた時の舌への刺激にはまる人も珍しくはありません。