チーズの熟成のタイプにはさまざまなものがあります。
チーズと熟成
チーズが生まれた歴史は古く、冷蔵庫などで一定の湿度と温度を保ったまま食品を長期保存する環境の無かった大昔までさかのぼります。
当然ですが牛乳をそのまま置いておけばすぐに腐って飲めなくなってしまいますが、熟成させる工程でタンパク質と水分にわけて残ったタンパク質を固形化することで、栄養価が豊富で長期保存が可能な食品=チーズを生み出すことに成功したのです。
そしてこのチーズの熟成に欠かせないものは、今も昔も菌類です。
チーズの熟成に欠かせない菌類
・白カビ
白カビには胃酸と同じ用な性質があり、チーズの表面に付着することでタンパク質を分解する作用が働きます。
これによってチーズは柔らかく、とろけるような食感になります。
白カビを利用したチーズの熟成はカマンベールチーズなどのやわらかなタイプのチーズを生み出すのに適しています。
・青カビ
独特の風味を生み出しているのは青カビに含まれるリパーゼという酵素です。
リパーゼには脂肪を分解する作用がありますが、反対に白カビのようなタンパク質を分解する作用はあまりありません。
これによって、独特の風味を持った硬めのチーズが熟成されます。
しっかりとした食べごたえと癖になる味わいは青カビが生み出しているものなのです。
現代ではチーズを用いた料理のレシピには数々のアイデアがあり、常に新しいものが生まれていますが、その熟成方法には昔から続く歴史的な「菌類の力」が利用されているのです。