チーズの歴史は今から数千年以上も前に始まったとされています。確認できるもっとも古い資料は紀元前3500年頃のギルガメッシュ叙事詩であり、そのなかにチーズに関する事柄が書かれていると言われています。
乳がとれる羊や山羊を飼い始めたのが紀元前1万年頃、牛乳がとれる牛を飼い始めたのが紀元前8000年ですので、そこからさらに5000年以上もの歴史を経てチーズは発明されたのです。
動物を飼うという文化の始まり
大昔、野生の麦が自生していた土地にはその麦を目当てとする羊や山羊が集まっていました。この羊や山羊を食用として活用するために囲って飼い始めたのが牧畜です。
牧畜で動物を飼い、食用として肉を利用するとその場限りの食料になってしまいますが、乳を絞って利用すれば、食料を得ることがより容易になることに人類は気づきました。
しかし、冷蔵庫などもまったくない大昔の話ですから、「どのように乳を保存すべきか」についてさまざまな試行錯誤が重ねられたことでしょう。
その過程で生まれたのが現代のチーズの原型となるものでした。
最初は水分をきったヨーグルトのようなもので、試行錯誤のなかで干して乾燥させ、固めるという工程が生まれたと考えられています。
現代では食料を長期保存するさまざまな環境が当たり前のように整っています。
そのような環境でも、チーズは深い味わいと独特の風味・コクで私たちの食事を豊かにするのに欠かせないものとなっています。