どんな歴史があるのか
スイスはチーズの歴史が非常に古く、古代ローマ時代の時点ですでにスイスでチーズが生産されていたことが確認されています。さらに、スイスは農業用として使える平地がさほど多くはない土地柄なので、斜面がある場所でもできる酪農が発展しました。昔からの伝統と土地柄によってチーズの生産が密接に根付いていましたが、さらに1970年代頃からは牛乳の消費の落ち込みによりチーズがより生産されたのです。余った牛乳を処理するためにチョコレート産業、そしてチーズ産業が発展したという側面もあり、現代でもチーズ生産が非常に盛んな国として知られています。
有名なチーズと穴
スイスのチーズは種類が豊富ですが、その中でも生産量が多いのがエメンタールチーズです。エメンタール地方が原産であるエメンタールチーズはチーズの王様とも呼ばれており、チーズフォンデュで使われるチーズとしても知られています。アッペンツェラーはアッペンツェル地方で生産されるハードタイプのチーズであり、独特の癖が大きな特徴です。フランク王国の国王、カール大帝が好んで食べていたという逸話も残っていますが、香りなどの癖の強さから好みが分かれやすいチーズです。
漫画などでは穴が開いたチーズが描かれることがありますが、エメンタールチーズやアッペンツェラーには穴が開いていました。この穴は牧草の微粒子と関係しているのですが、近年は牧草の微粒子が紛れ込むケースが減っており、穴はあっても小さめです。